「抵当権抹消登記」という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれません。

そもそも、「登記」とは、土地や建物といった不動産の権利関係を公に示すものです。

そして、不動産に抵当権という権利が設定されていることを示す「抵当権設定登記」というものがあります。

「抵当権抹消登記」は、登記簿上に示されている抵当権を抹消するための手続きになります。

本稿では、この抵当権抹消登記について詳しく見ていきましょう。

抵当権抹消登記はいつ行うものなのか

抵当権抹消登記を行うタイミングとしては、以下のようなものが考えられます。

①不動産を第三者に売却する場合

抵当権が設定されている状態で不動産を第三者に売却しようとすると、売却はかなり難しくなります。

なぜなら、ローンの返済などが残った状態で抵当権が未だ設定されており、そのような不動産を売却した後にローンの返済が滞ると、不動産が競売にかけられてしまって、買主の方が不動産を失うことになるからです。

そういったリスクを防ぐ意味でも、ローンの返済などは済ませて、抵当権を抹消した状態で不動産を第三者に売却することになるでしょう。

②抵当権が抹消できる状態の不動産を相続した場合

ローンなどを完済しているにもかかわらず、抵当権抹消登記をしないままになっている不動産もあります。

そういった場合には、抵当権が設定されている不動産を相続した相続人が、抵当権抹消登記を行うことができます。

③不動産を担保に新たな融資を受けようとする場合

当該不動産を担保として、新たな融資を受けようとする場合には、既存の抵当権は抹消しておくのが望ましいと言われています。

抵当権の優劣は、債権者の優先順位にもかかわりますから、抵当権をそのままにしておくと、融資額が減ったり融資が受けられなくなったりすることも考えられます。

そのため、既存の抵当権が抹消できるのであれば、抵当権抹消登記を行っておきましょう。

抵当権抹消登記の手続きの流れ

ここからは、抵当権抹消登記の手続きはどのように進められるのか、その流れについて簡単に解説していきます。

抵当権抹消登記の手続きは、基本的には法務局の窓口にて行います。

まずは、登記申請を行うのに必要な書類を確認し、金融機関から必要書類を収集するなどして、提出書類を準備します。

それら提出書類の準備とともに、登記申請書を作成し、法務局にて登記申請を行います。

登記完了日に、登記完了書類を受け取りに行き、手続きは完了です。

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