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【司法書士が解説】会社の住所変更に伴う手続きの流れと必要書類

【司法書士が解説】会社の住所変更に伴う手続きの流れと必要書類

カテゴリ:記事コンテンツ, 起業支援/会社登記

会社を移転するときには住所変更を行います。
郵便局や銀行へ提出する変更届や取引先への挨拶など、各種手続きを行わなければなりません。
特に株式会社等は、登記を変更する必要があります。
今回は株式会社等の住所変更の具体的な手続きの流れと方法、また必要な書類について解説いたします。

株式会社の住所変更手続きの流れ

株式会社等が住所変更する場合の流れは次のようになります。

  1. 株主総会・取締役会による決議を行って本店移転の議事録を作成
  2. 法務局で本店移転の登記申請
  3. 税務署・年金事務所等に本店移転の届出

株主総会・取締役会による決議

株式会社等の住所変更を行う場合には、株主総会によって決議を行います。
株主総会では本店移転の議事録を作成しますが、定款の変更が必要な場合と必要でない場合があります。
定款というのは会社の目的や組織の形態、活動内容などが記されたものです。

定款の変更が必要な場合とは

定款に記された会社の住所に町名・番地など細部まで記されてある場合には、定款の変更が必要となります。
この場合には、株主総会の議事録と株主総会に参加した株主のリスト(株主リスト)の書類を作成します。
また株主総会で承認されたことを示すため、議事録等の提出が必要です。

定款の変更が不要な場合とは

定款に記された会社の住所が最小行政区画(市町村・東京23区)内、かつ同じ最小行政区域内に移転する場合、定款変更は不要です。
この場合には、取締役会の議事録の作成を行います。

移転先の場所や移転する日程を決める

定款の一部変更と移転先の具体的な場所や移転日などを、取締役会で同時に決議することができます。
取締役会を設置していない場合には、取締役の過半数が賛成したという書面が別途必要となります。

法務局へ移転登記を申請

株主総会・取締役会による決議の終了、移転先の場所・日程などが決定したら法務局へ移転登記の申請を行います。

移転登記の申請に必要な書類

法務局に提出する移転登記の申請に必要な書類は、移転先が現在の住所の管轄の法務局かどうかによって異なります。

移転先が管轄内

移転先の住所が管轄内の法務局だった場合の必要になる書類は以下の通りです。

  • 本店移転登記申請書
  • 株主総会議事録(定款に変更がある場合)
  • 株主リスト
  • 取締役会議事録または取締役決定書

移転先が管轄外

移転先の住所が管轄外の法務局だった場合の必要になる書類は以下の通りです。

  • 本店移転登記申請書(2部)
  • 株主総会議事録(定款に変更がある場合)
  • 株主リスト
  • 取締役会議事録または取締役決定書
  • 印鑑届出書
  • 印鑑カード交付申請書

税務署への届出

税務署への変更届は、移転する前の管轄の税務署へ手続きを行います。
法務局への申請が終了したら速やかに行うことが必要です。
必要書類は次の通りです。

  • 異動届
  • 所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書
  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
  • 登記事項証明書

移転登記の期限

会社の移転登記には期限があり、移転日から2週間以内となっています。
期限内に手続きをしなかった場合には、100万円以下の過料が科せられるペナルティを受ける可能性があるので注意が必要です。

まとめ

今回は会社の移転登記の手順について紹介していきました。
会社の移転登記は、自力で行うことも可能ですが期限がありますので、超えないように注意しましょう。
また、登記に関してよくわからない、人員が足りないような場合には、司法書士へのご依頼を検討してみてください。